ツバキ文具店を読みました。
この小説は、
文房具
鎌倉
食べ歩き
料理
手紙(文通)
どれかひとつでもピンときた方は楽しめると思います。
ツバキ文具店あらすじ
主人公はポッポちゃん。
鳩子という名前なのでポッポちゃんというニックネームになりました。
先代(祖母)に育てられ、先代なき今、後を継ぎツバキ文具店と代筆業を営んでいます。
代筆依頼に訪れたお客様や、お隣のバーバラ婦人を始めとした鎌倉の人たちとの、心温まるお話…
なのですが、もちろんそのお話もほっこりして素敵なのですが…
文房具好き!特にペンや紙好き、集合!
最初から最後まで、ペンやインク、紙が大活躍!!興奮間違いなしです。
ツバキ文具店に登場する文房具
全てではありませんが、万年筆好きな私が興奮した文房具たちを選んでみました。
エルバン トラディショナルインク グリヌアージュ
悲しい、けれど前向きなお知らせのとき、封書の宛名書きで使用されたインクです。エルバンのこの種類は数十色という豊富なカラーとネーミングが魅力。グリヌアージュはフランス語で「灰色の雲」という意味です。
他の色もネーミングがとても素敵なので、色の名前で選んでもいいかもしれません。私は、ビルマの琥珀とムーンシャドウを持ってます。
ガラスペン
昔好きだった人への代筆の手紙に。小説内ではメーカー名などはありません。
ガラスペンは使ってすぐに水洗いできるので、様々なインクを使うことができます。それが魅力で欲しいのですが、割ってしまったらどうしようと心配で買えずにいます。
調べたところエルバンのガラスペンが素敵でお値段もお手頃だったので、ちょっと…欲しい…。
モンブラン マイスターシュテック149
出た!!モンブラン!!
代筆を頼んできた男爵のイメージで万年筆を選んだようです。
憧れのブランドですが、高いし他社のペンクリニックでは対象外になっていることが多いので、今のところ手は出していません(というか出せないお値段…)。
満寿屋 原稿用紙
原稿用紙を手紙として使うとは…。でも満寿屋なら納得。これも男爵の代筆の際選ばれたものです。
満寿屋の原稿用紙や便箋は別格ですね。書き心地も色合いも最高です。そこはかとなくオシャレ。
ロメオ No.3 ボールペン
美しいけれど字が下手な女性の代わりにカードを書く際に選ばれたのがこのボールペン。
伊東屋のオリジナルブランドです。Twitterなどで「書きやすい」と絶賛されています。
万年筆もシックで素敵なんですよね。記念すべき最初の万年筆をロメオにしようとしたのですが、お値段がちょっと高めだったので他のものにし、それ以来購入候補にあがってなかった…。これを機にまた見に行こうかな。
羊皮紙
羊皮紙、初めて知りました。動物の皮を薄く伸ばしたもの。公文書などに使われてきたとか。これは厳しい内容の手紙を書く際に使われました。なるほど…。
小説内ではメーカー名などはありませんでした。
エルバンが素敵な羊皮紙出しているようです。
虫こぶインク
羊皮紙に書く際に使われたインクです。皮なので通常のインクでは書けない…ということでこのインクが使われました。小説内ではメーカー名などはありません。
虫こぶインクというのは初めて聞きましたが、調べてみたところ没食子インクのことを指しているようです。没食子インクの存在は知っていましたが扱いが難しく万年筆で使うときは要注意のはず…。小説内でも羽ペンで書いています。
没食子インク、有名なのはダイアミンです。
ウォーターマン ル・マン100
最後、鳩子にとって特別な手紙を書くときに使われた万年筆です。
万年筆は基本国産で、海外の万年筆はペリカンしか買わないと決めていたのに…、欲しくなりました。
ちなみに、ル・マン100は特別生産なので、今は手に入れられません。中古なら探せばあるかもです。
他のデザインも素敵なものが多いです。
ツバキ文具店の楽しみはもちろん文房具だけじゃないです
鎌倉の実在するお寺や海岸、飲食店などが次々と出てきます。鎌倉の街や食が好きな方にはたまらない小説だと思います。この本を片手に観光しても楽しいかもしれません。
また、ちょっとひと手間かけた朝食や手作りパン、おいしそうな飲み物などなど「あー、私も今すぐ食べたい、飲みたい」のオンパレードです。やっぱひと手間かけるっていいなぁ。
丁寧な暮らしがしたくなる一冊です。
また、先代である祖母に複雑な気持ちを抱いていた鳩子。その鳩子の葛藤もまた…。親兄弟との間に複雑な思いを少しでも持たれている方は…なんとも言えない気持ちになるかもしれません。私もそんなひとりなので、最後の鳩子の手紙は号泣モンでした。これから鳩子のような気持になるのかな…と思うと正直辛くなりました。
ツバキ文具店、ドラマ化!
読んでいて「実写化されそう…」と思ったのですが、なんと4/14から連ドラが放送されるようです。お話はもちろんですが、文房具がどんな風に登場するかも楽しみです。
主題歌は絢香さんの『コトノハ』です。
小川糸さんはこちらもおすすめです。